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冬のはじまりに――親子でリズムを整える3つの工夫

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2025年11月6日

日が短くなり、朝晩の空気に冬の気配を感じるようになりました。
この季節は、気温や日照時間の変化によって、体のリズムや気持ちの波が乱れやすくなる時期です。
「最近、朝起きるのがつらそう」「夜なかなか眠れないみたい」——
そんな様子が見られるお子さんもいるかもしれません。

でも、これは“意志が弱いから”ではなく、季節や環境の変化に体が追いついていないだけ。
親子で少しずつ“整える工夫”を取り入れることで、無理なく冬を迎える準備ができます。


 朝の光を味方にする

冬になると日の出が遅くなり、朝の光を浴びる時間が自然と減ってしまいます。
けれども、この「朝の光」こそが、体のリズムを整える大切なスイッチ。
光を感じることで脳が“活動モード”へと切り替わり、
少しずつ体も心も動き出していきます。

朝が苦手な子の場合、いきなり「起きよう!」と声をかけるより、
まずは寝たままでも光を感じられるようにするのがおすすめです。

カーテンを少し開けて、レース越しのやわらかい光を部屋に入れるだけでも大丈夫です。
「今日はいい光だね」と一言添えるだけで、
その日が少しやさしいスタートになるかもしれません。

調子のよい日は、窓辺で数分だけ外の光を感じたり、
温かい飲み物を手に“ゆっくり朝を始める”時間をつくってもよいですね。


 夜のスマホタイムを“ひと休み”

夜になるとつい手が伸びてしまうスマホやタブレット。
でも、その明るい光は眠りを促すホルモンの働きを妨げてしまうことがあります。
「寝ようと思っても、なかなか寝つけない」というのは、
脳がまだ“活動モード”のままになっているからかもしれません。

まずは「完全にやめる」よりも、寝る30分前だけでもオフにしてみる
その間に温かい飲み物を用意したり、
明日の準備をゆっくり一緒にするだけで、気持ちの切り替えが生まれます。
「そろそろおやすみモードにしようか」と声をかけるだけでも十分。
無理のない範囲で続けていくことが大切です。


 温かい飲み物で“おやすみスイッチ”を

人は、体温が少し上がってから下がるときに眠気を感じやすいといわれています。
そのため、寝る前に温かい飲み物を飲むのはとても理にかなった方法です。

ハーブティーやホットミルク、白湯など、
お子さんが安心して飲めるもので構いません。
「夜はこのカップで飲もうね」と決めておくと、
それが“おやすみの合図”になり、心の準備にもつながります。

親子で同じ時間に同じ飲み物を飲むだけで、
一日の終わりに気持ちがほっと落ち着きます。


 一緒に整える時間を楽しむ

生活リズムを整えるというと、つい「早く寝かせなきゃ」「起こさなきゃ」と
“頑張らせる方向”に意識が向きがちです。
けれども、実は「一緒に整えていく」ことこそが、
子どもの安心を支える大事なポイントです。

「今日はどんな一日だった?」
「明日は何を楽しみにしようか?」
焦って早く寝かせようとするよりも、
そんな小さな親子の会話が、心のリズムを整えてくれます。
ゆったりとしたやりとりが、安心して眠りにつく力につながっていきます。


BESCHOOLでは、勉強や進路のサポートだけでなく、
その前提となる「生活リズム」や「気持ちの整え方」にも目を向けています。

冬のはじまりこそ、親子でやさしいリズムを作るチャンス。
焦らず、少しずつ。
光とぬくもりを感じながら、親子で“冬のリズム”を整えていけるといいですね。

気分がのらない日でもできる、小さな勉強――「少しでもやれた」が、次につながる力に。

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2025年10月30日

「今日は勉強する気にならない」
そう言って机に向かえない日が続くと、
親としては少し不安になるかもしれません。

でも、“やる気がない”ように見えるときも、
心や体の中ではちゃんと動きが起きています。


🌱「やる気」は感情ではなく、脳のエネルギー

やる気をつくり出すのは、脳の中の「側坐核」という場所。
ここが刺激されると“やってみよう”というエネルギー(ドーパミン)が出ます。

ところが、ストレスや疲労、睡眠リズムの乱れなどがあると、
この働きが鈍くなり、体が動かなくなります。
つまり「怠けている」のではなく、
エネルギーを回復させようとする自然な反応なんです。

(参考:Aarts et al., 2014 / 日本小児心身医学会, 2022)


🌱それでも「少しだけできる」ことがあります

気分がのらない日にも、
できることは“ゼロ”ではありません。
どれも、ちゃんと「やった」に入ります。

・1問だけ問題を解く
勉強のスイッチは“始める”ことで入ります。
1問だけでも取りかかると、脳が動き出し、
やる気ホルモンが少しずつ分泌されます(作業興奮の原理)。

・ノートやテキストを開く
たとえ読む気にならなくても、“見るだけ”で記憶が刺激されます。
これを「再認記憶」といい、
過去の学びを思い出すことで再び興味が戻ることがあります。

「ここまでできた」と自分で区切る
「1分だけ」「1ページだけ」など、自分で終わりを決めると、
“やり切った”感覚が残ります。
小さな達成を積み重ねることが、次の行動につながります。


🌱保護者ができるサポートのかたち

もし声をかけるなら、
「もっとやりなさい」よりも「それでもやれたね」と、
“できた事実”を認める言葉がおすすめです。

脳は“できた”という言葉に反応して、
報酬物質(ドーパミン)を分泌します。
この“少し嬉しい”感覚が、次の行動エネルギーになります。


🌱BESCHOOLでは

気分がのらない日も、「やれなかった」だけではありません。
“1分だけでもやれた”“ノートを開けた”という行動が、
次の一歩の準備になっています。

焦らず、小さな「できた」を積み重ねていくこと。
それが、お子さんの「続ける力」を育てていきます。

BESCHOOLでは、お子さんのその日の状態に合わせて、
「動けない日」も含めて学びのリズムをつくるサポートをしています。

体験・相談はこちらから


🩵参考文献

  • Aarts, E. et al. (2014). The motivational role of dopamine in human cognition and behavior.

  • 日本小児心身医学会(2022)『起立性調節障害の理解と支援ガイドライン』

  • 神経心理学ジャーナル(2020)「作業興奮と脳内報酬系の関連」

“学校に行けていなくても未来につながる”――勉強を続ける意味とは

BLOG

2025年9月19日

学校に行けていないと、
「このままで将来は大丈夫?」と不安になるのは当然です。

でも、未来につながる力は、ただ時間を過ごすだけでは育ちません。
学びを続けることで、未来につながる力は育ちます。
そして私たちBESCHOOLは、勉強だけでなく、読書や好きなことに夢中になる時間も、“学びのスタート”として大切にしています。


学びのスタートがもたらす5つの効果

1. 自己効力感の育成

好きなことをやり切る経験から、「自分はやればできる」という自信が生まれます。
この感覚は勉強や新しい挑戦にもつながり、前向きな気持ちを育てます。

2. 思考力・表現力の基礎づくり

読書で物語や知識に触れたり、創作活動で考えや気持ちを形にすることで、理解力や表現力、想像力が育ちます。

3. 集中力や持続力のトレーニング

興味のあることに集中する時間は、やり抜く力や没頭する力の土台になります。
こうした力は、勉強に取り組むときの集中力にもつながります。

4. 自律的な学習習慣のきっかけ

「やりたいことをやる時間」を通して、自分で考えて取り組む習慣が生まれます。
そこから自然に、ワークや学習にも取り組めるようになっていきます。

5. 学びの幅・興味の幅の拡大

読書や創作で知識や興味を広げることで、「もっと知りたい」「挑戦してみたい」という意欲が芽生え、将来の進学や進路の選択肢を広げる土台となります。


BESCHOOLが大切にしていること

BESCHOOLは、ただの居場所ではありません。
知識を積み重ね、計画して取り組む力や、やり切る経験も育てる場所です。

  • 読書や好きなことに夢中になる時間で 自己効力感 が育ち、

  • その積み重ねが、前回の記事で触れた 自己肯定感 の基礎にもつながります。

  • 計画して学ぶ経験ややり抜く力は、進学だけでなく、その先の人生でも活きる大切な力です。

BESCHOOLでは、お子さん一人ひとりのペースに合わせながら、
未来につながる学びを一緒に育てていきます。

「ほめても響かない…」自己肯定感が育つ言葉とは?

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2025年8月26日

子どもへの声かけひとつで、”自己肯定感”は大きく変わります。
しかし『どう伝えたらいいのか分からない…』と悩む保護者の方も少なくありません。

「テストでいい点を取ったら褒める」
「お手伝いしてくれたら褒める」

こうした“条件付き”の褒め方は、子どもの努力や成果を認める自然な関わりです。
しかし、子どもが「成果がないと認められない」と感じてしまう場合もあります。

[条件付き承認と無条件の存在承認]

○条件付き承認

「◯◯できたからすごいね」など、成果や行動によって認められる承認です。努力や成功を認めることは大切ですが、これだけだと子どもは「できなければ愛されない」と感じることがあります。

○無条件の存在承認

「一緒にいてくれてうれしい」
「話してくれて安心するよ」

成果や行動に関係なく、子どもの存在そのものを受け止める承認です。心理学者カール・ロジャーズの「無条件の肯定的関心」としても知られ、これが”自己肯定感”の土台になる関わりとされています。

では、そんなときに親としてできることとは。
「どう声をかけたらいいんだろう…」
子どもが一歩踏み出せずにいる姿を前に、戸惑いや不安を感じるのは自然なことです。多くの親御さんも同じように迷いながら、日々子どもに寄り添っています。

大切なのは、完璧な声かけを探すことではなく、子どもが「自分の気持ちを受け止めてもらえている」と感じられること。その安心感が、やがて「少しやってみようかな」という小さな前進につながります。

声かけを工夫することは、自己肯定感を少しずつ育てる第一歩です。

BESCHOOLでは、一歩踏み出したい子どもが、自分のペースで安心して学べる居場所として、日々サポートしています。

📩無料体験・見学・ご相談は、いつでもお気軽にご連絡ください。
公式LINEはこちら

学校に行けていなくても、学びをあきらめたくないあなたへ

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2025年8月19日

学校に行けていなくても、学びをあきらめたくない。
これは、BESCHOOLがずっと大切にしている想いです。

「勉強しなきゃ」とは思っていても、
今の状態では、なかなかうまく始められない。
親としても、どう関わればいいか悩んでしまう――

そんなときこそ大切にしてほしい、
“学びたい気持ち”を育てる関わり方について、
よくあるご相談をもとにまとめました。


■ 無理に始めさせなくて大丈夫

まず最初にお伝えしたいのは、
**“無理に勉強させなくてもいい”**ということ。

不登校の状態にあるお子さんは、
学校や集団の場でのストレス、評価への不安、自己否定など、
心にいろんな重りを抱えていることがあります。

その状態で「勉強しなさい」と言われても、
気持ちが追いつかず、余計に自信を失ってしまうこともあります。

まずは、
「勉強=安心してやっていいこと」
と本人が思えるような環境や関わりを整えることが先決です。


■ “学びたい気持ち”は、こうして育つ

「勉強する気がないのではなく、まだその気持ちが育っていないだけ」
私たちは、そう考えています。

では、どうすれば“学びたい”気持ちは育つのでしょうか?

そのためには、親として次のような姿勢が大切です。

  • 比べない(他の子や過去の自分と)

  • 否定しない(失敗や止まっている状態も含めて)

  • 小さな“やってみようかな”を見逃さない

本人が「自分でやってみたい」と思える小さなきっかけを
受け止めて、そっと応援すること。

それが、学び直しの一歩になります。


■ 焦る気持ちも、自然なこと

とはいえ、保護者の方にとっては
「このままで大丈夫?」という不安や焦りも当然のことです。

それは、お子さんを大切に思っているからこそ
焦る気持ちは、愛情の裏返しです。

でも、そのままの形で子どもに伝わると、
「また責められている」
「やっぱり自分はダメなんだ」
と感じさせてしまうこともあります。

まずは、焦っている自分の気持ちを否定せずに受け止めてあげること
そこから、少しずつ関わり方を整えていくことが大切です。


■ 子どもが前向きになる「声かけ」のヒント

実際に、どんな言葉が子どもにとって力になるのか。
以下のような“つながる声かけ”が、よく効果を発揮します。

  • 「最近、気になることある?」

  • 「○○の好きなこと、教えて?」

  • 「やりたくなったら、いつでも応援するよ」

  • 「今のままでも、大丈夫だよ」

ポイントは、
「指示」や「評価」ではなく、共感と安心を伝えること。

実はこうした関わりには、心理学的な裏付けがあります。

たとえば、**自己決定理論(Deci & Ryan)**では、
人がやる気を出すには次の3つが必要だとされています:

  • 自分で選べること(自律性)

  • 自分にもできそうだと思えること(有能感)

  • 誰かとのつながりが感じられること(関係性)

また、**来談者中心療法(Carl Rogers)**では、
否定されず、受け入れられたと感じることで、
人は自分の力で前に進むことができるとされます。

これらは、不登校支援の現場でも実践されている考え方です。


■ BESCHOOLは「学び直し」の場所

BESCHOOLは、不登校の子どもたちが
「もう一度、自分のペースで学びたい」と思えたときに、
その一歩を支えるフリースクールです。

「勉強したいけど、学校には行けない」
「自分に合う場所を探している」
そんな子どもたちが、安心して通っています。


■ ご相談はいつでも

親として、焦りや不安を感じるのは当然のこと。
でも、その気持ちを1人で抱えなくても大丈夫です。

私たちBESCHOOLは、
お子さんに合った関わり方や学び方を一緒に考えていきます。

📩見学・ご相談は、いつでもお気軽にご連絡ください。
公式LINEはこちら

「やる気がないのは甘え?」──そんなふうに感じてしまったときに

BLOG

2025年7月29日

「どうして学校へ行かないの?」「このままでいいの?」
子どもがずっと家にいる日が続くと、そんな気持ちがふと湧いてしまうこと、ありますよね。

「やる気がないだけなんじゃない?」
「もっと頑張れば、きっと…」

そう思ってしまうのも、親として当然の感情です。

でも実は、“動けない”背景には、子ども自身もコントロールできない心の仕組みがあることがあります。


◆ 甘えているのではなく、“今は力が出せない”だけかもしれません

子どもが家で過ごす時間が長くなっているとき、
それは「やる気がない」からではなく、心や脳が疲れているサインかもしれません。

たとえば、

  • 人との関わりで小さな傷が積み重なっていたり

  • 朝起きるのが怖くなっていたり

  • 自分でも言葉にできない不安が渦巻いていたり

…そんなふうに、目には見えないけれど確かに「しんどい理由」があることがあります。


◆ 脳が“省エネモード”に入ることもあります

強いストレスを感じると、脳は「これ以上消耗しないように」ブレーキをかけてしまいます。
それが、

  • やる気が出ない

  • 外に出るのが億劫

  • 何をしても楽しく感じない
    …といった“止まってしまったような状態”を引き起こすのです。

これは、子どもの意志の弱さではありません。
むしろ、「これ以上は無理」という心の防衛反応なのです。


◆ 大切なのは、“戻す”ことよりも“満たす”こと

「どうすれば動いてくれるか?」ではなく、
「今、何が不足しているのかな?」という視点を持つことが、子どもの回復の第一歩になります。

まずは、

  • そばにいるだけでも安心できる時間

  • 小さな“できた”を見つけて認めること

  • 自分のペースを尊重される経験
    …そんな時間が、子どもの心に少しずつエネルギーを溜めてくれます。


子どもが止まっているように見えるとき、
それは「甘え」ではなく「充電中」かもしれません。

周りと比べず、焦らず、
「今はちょっと立ち止まっているだけ」と受け止めてみてください。

私たちBESCHOOLでは、子どもが“もう一度自分を取り戻せる時間”を大切にしています。
そっと寄り添う場所として、いつでもお待ちしています。
まずはお話お聞かせください。


📷 Instagram投稿はこちら:
https://www.instagram.com/p/DMrXHgNS4Qw/

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時間がありすぎる夏、どう過ごす?― 子どものリズムと気持ちを整える「3つの小さな工夫」 ―

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2025年7月12日

夏休みになると、周りの子は「宿題」「部活」「旅行」など予定がどんどん増えていきます。
でも、家で過ごす時間が多い子にとっては、変化のない毎日が逆にしんどく感じられることもあります。

時間はあるはずなのに、気づけばなんとなく1日が終わっていたり、
ゲームや動画で夜更かししてしまったり…。

そして、それを見守る保護者の方も、
「このままで大丈夫なのかな」と、ふと不安になる瞬間があるのではないでしょうか。

今回は、BESCHOOLが出会ってきた子どもたちとの関わりから見えてきた、
夏を少しラクに過ごすための小さな工夫を3つ、ご紹介します。


① 「朝の時間」をゆるく決めるだけで、生活リズムが変わる

実は、生活リズムを整えるカギは“夜”ではなく「朝の時間」にあるといわれています。

もちろん、朝がつらい子にとって“早起き”は簡単なことではありません
特に、起立性調節障害など体の状態によっては、どうしても午前中に動けない日もあるでしょう。

それでも、「このくらいに起きられたらいいな」とゆるく時間を意識するだけでも、リズムの土台になります。

たとえば、
・10時までに目が覚めたら、少しだけ体を起こしてみる
・お昼前にカーテンを開けて光を入れる
・水を飲むなど、軽い動きを1つ入れる

この方法は、専門家の間でも「生活リズムを整える第一歩」としてすすめられていて、
朝の光や起きる時間を少し意識することが、夜の眠りにもいい影響をもたらすと言われています。

大切なのは、完璧な朝にすることではなく、
「今日も少し意識できた」という小さな前進です。


② 「やること」は2〜3個、“できそうなこと”だけでOK

夏休みは「勉強しなきゃ」「規則正しく過ごさなきゃ」と考えすぎると、かえって動けなくなることもあります。

そこでおすすめなのが、「今日やること」を2〜3個だけ、無理なく決めるという方法。

ポイントは、
✔ 自分で選ぶこと
✔ できそうなことだけにすること

たとえば、
・マンガを10分読む
・机の上だけ片づける
・ゲームを1時間だけにする

など、「やれたらラッキー」くらいのゆるさでOKです。

一見「勉強」と関係なさそうに思えるかもしれませんが、ポイントは「自分で決めて」「達成できた」という感覚を得ることにあります。
好きなことから始めることで、動き出すスイッチが入りやすくなり、次の行動につながることも多いのです。

小さなことでも「自分で決めてできた」と感じられると、それだけで気持ちが軽くなるもの。
支援の現場でも、そうした小さな成功体験の積み重ねが、やる気や自信につながる姿をたくさん見てきました。


③ 声かけは“できたかどうか”より“気持ち”に寄り添って

「今日は何やったの?」「ちゃんとやれた?」
そんなふうに聞きたくなる日もあると思います。

でも、子どもたちにとって響くのは、“結果”より“気持ち”や“工夫”を見てくれたひと言です。

たとえば、
「ちょっと頑張ってたね」
「自分で考えてたね」
「昨日よりちょっと起きるの早かったね」など。

気持ちに寄り添う言葉は、「わかってくれてる」と子どもに伝わりやすく、
自然と安心感や自信を育てていくことにつながります。

正解を言おうとしなくて大丈夫。
ただ**「見てたよ」「気づいてたよ」**というメッセージを伝えるだけで、子どもにとっては心の支えになります。


「ちょっとだけできた」が、やがて力になる

すぐに生活リズムが整ったり、やる気が戻ったりすることは、そう多くありません。
でも、「朝ちょっと起きられた」「自分で1つ決められた」――
そんな小さな一歩が、次の一歩につながっていきます。

完璧じゃなくていい。
“今のその子なりのペース”で歩んでいけるように、少しだけ支えること
それが、この夏を少し軽くするカギかもしれません。


BESCHOOLでは

BESCHOOLでは、「学校には行けないけど、学びたい」「生活リズムを整えたい」
そんな思いをもつ子どもたちと、日々ゆっくり向き合っています。

進学や勉強のことはもちろん、日々の過ごし方や声かけの悩みも、お気軽にご相談ください。

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「この夏、うちはこのままでいいのかな…?」 不登校の家庭が夏休み前に感じる“静かな不安”とは

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2025年7月9日

「この夏、うちはこのままでいいのかな…?」

夏休みが近づくこの時期、不登校のお子さんを育てる保護者の方から、こんな声をよく聞きます。

普段から学校に行っていない子どもにとって、「夏休み」は特別な変化があるわけではないかもしれません。
でも、だからこそ保護者の方は、この長期休みをどう過ごさせればいいのか
このまま時間だけが過ぎてしまうのではないかと、静かに不安を募らせているのです。


○夏前だからこそ感じる、保護者のリアルな不安

不登校のご家庭では、以下のような声がよく聞かれます。

・周りの子たちは塾やオープンキャンパス、進路準備を始めているのに、うちは何もできていない…
・生活リズムがますます乱れてしまいそうで心配…
・長期休みに入ると、今以上に外との関わりがなくなってしまいそう…
・この夏、何か動き出すきっかけを作ってあげたいけれど、どうすればいいかわからない…

こうした保護者の不安には、「周囲とのギャップ」「時間だけが過ぎていく焦り」が背景にあります。


○データ・現場の声から見る「夏と不登校」

文部科学省の令和4年度の調査では、不登校のきっかけとして「長期休み明け」が大きなタイミングになっていることがわかっています(※1)。
また、全国の支援団体や親の会では、夏前・夏休み中の保護者の不安について、以下のような声が集まっています。

・周りがどんどん進んでいく感じがして、取り残されるようでつらい…
・この夏で何か変われるんじゃないかと期待するけど、結局何もできなかったと感じて落ち込む…

不登校支援を行うNPO法人なども、「夏休みは家庭の不安が最も高まる時期の一つ」と警鐘を鳴らしています(※2)。


○BESCHOOLができること

そんな声に応えるために、BESCHOOLではこの夏、「サマースタディーサポート」を実施しています。

・お子さまの今の状態に合わせた1日の計画設定
・お子様の学習ペースに合わせた1対1個別指導
・家から出られないお子様にはオンライン授業も対応
・無理のないペースで、「自分でやってみる」経験を積める環境

この夏が、「ただの通過点」ではなく、
ほんの少しでも“変化のきっかけ”になるように
保護者の方にも安心していただけるサポートを行っています。

不安を抱えるのは、あなただけではありません。
「このままでいいのかな…?」と感じたその気持ちが、
すでに“子どもと向き合っている”証拠です。

この夏、無理に何かを変えようとしなくても大丈夫。
小さな一歩を一緒に探していきましょう。

▶「サマースタディーサポート」の詳細はこちら
https://beschool.jp/news/%e4%bb%8a%e5%b9%b4%e3%81%ae%e5%a4%8f%e3%81%afbeschool%e3%81%b8%ef%bc%81/

【参考資料】

※1 文部科学省「不登校児童生徒の実態調査(令和4年度)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
※2 不登校新聞/全国不登校新聞社(https://www.futoko.org/)
※3 全国フリースクール等ネットワーク/親の会アンケート報告より

**************
公式LINEよりお問い合わせ、ご相談ください。
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まずはお気軽にお友達登録お願いします◎

※BESCHOOLの開校時間は平日の10時~15時です。
それ以外の時間ですと、回答等にお時間をいただく場合があります。
予めご了承ください。

「早く学校に戻ってほしい」――その気持ち、どうすればいい?

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2025年7月2日

不登校の子どもを見守る保護者の方の中には、
「早く学校に戻ってほしい」
「このままで大丈夫なの?」
という気持ちを抱える方も多いのではないでしょうか。

それは、決して悪いことではありません。
むしろ、子どもを思うからこその“自然な感情”です。

でも実は、その思いが知らず知らずのうちに、子どもにとってプレッシャーや不安になることがあるのです。

▶「その気持ち」は自然なこと

親御さんが子どもの将来を心配するのは当たり前です。
しかし、子どもがその気持ちを「責められている」と感じてしまうこともあります。

「学校の話をされると、苦しくなる」
「がんばっていないように見えるかもしれないけど、心の中はぐちゃぐちゃ」
そんなふうに感じている子どもは少なくありません。

▶では、親としてどうすればいいの?

焦りの気持ちを抑えることは簡単ではありません。
ですが、子どもに必要なのは「安心できる関係性」です。

心理学者カール・ロジャーズが提唱した
受容的態度(あなたのままで大丈夫)」と「共感的理解(あなたの気持ちを理解したい)」は、
不登校支援でもとても大切にされています。

また、自己決定理論(Deci & Ryan)でも、
人は「自分で選ぶ感覚(自律性)」があるときにこそ、本当の意欲が芽生えるとされています。

▶声かけの工夫:こんな言葉が届きます

子どもに安心を届けるために、こんな声かけを心がけてみましょう。

「無理に学校の話はしないから、安心してね」
「今はゆっくりでいいと思ってるよ」
「あなたの気持ちを聞かせてくれたら、嬉しいな」

重要なのは、子どもを“変えよう”とするよりも、まず“理解しよう”とする姿勢です。
かしこまった場所ではなく、食事のときや散歩に出かけたときに
さりげなく声をかけてみてはいかがでしょうか。

BESCHOOLでは、不登校の子ども一人ひとりのペースを大切にしています。
私たちは、無理に学校復帰を促すのではなく、
まず「ここにいてもいい」と思える安心な環境をつくることを重視しています。

そして保護者の方にも、
「一人で悩まないで大丈夫です」と伝えたいのです。

「早く元に戻ってほしい」と思う気持ちは、
親として自然で、優しさに満ちたものです。
でも、焦らなくても大丈夫です。
子どもは安心できる関係の中で、少しずつ、自分の力で動き出せる日が来ます。

その日を信じて、今日も一歩ずつ。
そのときのためのお手伝いをBESCHOOLにさせてください。
まずは一人で悩まずお話しください。
話すだけで楽になることはたくさんあります。
https://lin.ee/sLzxawu

※子どもがなぜプレッシャーを感じやすいのかについては、
過去の記事「不登校の子が感じる“プレッシャーの正体”」にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

「どうしてこんなに苦しいの?」 不登校の子が感じる“プレッシャーの正体”とは?

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2025年6月27日

BESCHOOLでは、日々たくさんの子どもたちと関わっています。
子どもたちの中には、
「家にいてもなぜか焦る」
「誰にも何も言われていないのに、責められている気がする」
と話す子も少なくありません。

今日は、そんな子どもたちが抱えがちな
”見えないプレッシャー”についてお話しします。

■ プレッシャーって、どこからくるの?

不登校の子どもたちが感じるプレッシャーには、実は科学的にも説明できる「心の仕組み」があります。

① 周囲と自分を比べてしまう

「友達は学校に行ってるのに、自分は行けてない」
「同じ学年の子は進路の話をしてるのに、自分は立ち止まったまま」

これは心理学でいう「社会的比較理論(フェスティンガー)」によって説明できます。
人は不安を感じたときに、「他人と比べて自分はどうか?」を確認しようとします。
その結果、自分を責めたり、焦りを感じたりするのです。

② 親の気持ちを“想像”してしまう

「お母さんは本当はイライラしてるんじゃないか」
「このままだと心配させてばかりで申し訳ない」

実際に何も言われていなくても、子どもは大人の気持ちを“予想”する傾向があります。
これは「心の理論」や、「自動思考」といった認知行動療法(CBT)の考え方でも説明されます。

厚生労働省の『子どものメンタルヘルスに関するガイドライン』(2021)でも、
「子どもは周囲の期待を敏感に感じ取り、自己否定感につながることがある」と指摘されています。

③ 将来への不安

「このままじゃ高校に行けないかもしれない」
「自分には“普通の未来”はないのかな」

思春期の子どもたちは、「これからの人生をどう生きるか」を考え始める時期です。
これは心理学者エリクソンが提唱した「アイデンティティの確立」という発達課題に当たります。

文部科学省の不登校実態調査(2022)でも、
不登校生徒の不安要因として「進路が不透明」「将来が不安」が多く挙がっています。

■ プレッシャーは悪いものじゃない

プレッシャーを感じるのは、「ちゃんとやりたい」「このままではいたくない」という気持ちの裏返し。
それは、自分のことをちゃんと考えている証です。

だからまずは、「感じてもいい」と認めてあげることがとても大切です。

■ プレッシャーの正体に気づくと、少しラクになる

「どうして自分はこんなに焦るんだろう」
「なぜイライラしてしまうのかな」

そう思ったとき、“プレッシャーの正体”を知っていると、自分を責めすぎなくて済みます。
自分の気持ちを言葉にできるだけで、少し心が軽くなります。

■ BESCHOOLでは

BESCHOOLでは、勉強だけでなく、心の整理やモヤモヤに向き合う時間も大切にしています。
「まだ勉強の気分になれないけど、誰かと話したい」
「この気持ちをどう整理すればいいかわからない」

そんなときは、無理に頑張らなくて大丈夫です。
私たちは、「ここから始める」お手伝いをしています。

プレッシャーは、見えないけれど、とても重たいものです。
でも、その正体を知って、言葉にして、誰かと分かち合えれば
きっと前に進む力がわいてきます。

一人で抱えこまず、ぜひ私たちにお話しくださいね。

▶ お問い合わせ・相談は公式LINEまたはDMからどうぞ

📱公式LINE:https://lin.ee/Rlm30Gp
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