「今日は勉強する気にならない」
そう言って机に向かえない日が続くと、
親としては少し不安になるかもしれません。
でも、“やる気がない”ように見えるときも、
心や体の中ではちゃんと動きが起きています。
🌱「やる気」は感情ではなく、脳のエネルギー
やる気をつくり出すのは、脳の中の「側坐核」という場所。
ここが刺激されると“やってみよう”というエネルギー(ドーパミン)が出ます。
ところが、ストレスや疲労、睡眠リズムの乱れなどがあると、
この働きが鈍くなり、体が動かなくなります。
つまり「怠けている」のではなく、
エネルギーを回復させようとする自然な反応なんです。
(参考:Aarts et al., 2014 / 日本小児心身医学会, 2022)
🌱それでも「少しだけできる」ことがあります
気分がのらない日にも、
できることは“ゼロ”ではありません。
どれも、ちゃんと「やった」に入ります。
・1問だけ問題を解く
勉強のスイッチは“始める”ことで入ります。
1問だけでも取りかかると、脳が動き出し、
やる気ホルモンが少しずつ分泌されます(作業興奮の原理)。
・ノートやテキストを開く
たとえ読む気にならなくても、“見るだけ”で記憶が刺激されます。
これを「再認記憶」といい、
過去の学びを思い出すことで再び興味が戻ることがあります。
・「ここまでできた」と自分で区切る
「1分だけ」「1ページだけ」など、自分で終わりを決めると、
“やり切った”感覚が残ります。
小さな達成を積み重ねることが、次の行動につながります。
🌱保護者ができるサポートのかたち
もし声をかけるなら、
「もっとやりなさい」よりも「それでもやれたね」と、
“できた事実”を認める言葉がおすすめです。
脳は“できた”という言葉に反応して、
報酬物質(ドーパミン)を分泌します。
この“少し嬉しい”感覚が、次の行動エネルギーになります。
🌱BESCHOOLでは
気分がのらない日も、「やれなかった」だけではありません。
“1分だけでもやれた”“ノートを開けた”という行動が、
次の一歩の準備になっています。
焦らず、小さな「できた」を積み重ねていくこと。
それが、お子さんの「続ける力」を育てていきます。
BESCHOOLでは、お子さんのその日の状態に合わせて、
「動けない日」も含めて学びのリズムをつくるサポートをしています。
🩵参考文献
- 
Aarts, E. et al. (2014). The motivational role of dopamine in human cognition and behavior. 
- 
日本小児心身医学会(2022)『起立性調節障害の理解と支援ガイドライン』 
- 
神経心理学ジャーナル(2020)「作業興奮と脳内報酬系の関連」 
 
 
 
 
 
 
 
 