夏休みになると、周りの子は「宿題」「部活」「旅行」など予定がどんどん増えていきます。
でも、家で過ごす時間が多い子にとっては、変化のない毎日が逆にしんどく感じられることもあります。
時間はあるはずなのに、気づけばなんとなく1日が終わっていたり、
ゲームや動画で夜更かししてしまったり…。
そして、それを見守る保護者の方も、
「このままで大丈夫なのかな」と、ふと不安になる瞬間があるのではないでしょうか。
今回は、BESCHOOLが出会ってきた子どもたちとの関わりから見えてきた、
夏を少しラクに過ごすための小さな工夫を3つ、ご紹介します。
① 「朝の時間」をゆるく決めるだけで、生活リズムが変わる
実は、生活リズムを整えるカギは“夜”ではなく「朝の時間」にあるといわれています。
もちろん、朝がつらい子にとって“早起き”は簡単なことではありません。
特に、起立性調節障害など体の状態によっては、どうしても午前中に動けない日もあるでしょう。
それでも、「このくらいに起きられたらいいな」とゆるく時間を意識するだけでも、リズムの土台になります。
たとえば、
・10時までに目が覚めたら、少しだけ体を起こしてみる
・お昼前にカーテンを開けて光を入れる
・水を飲むなど、軽い動きを1つ入れる
この方法は、専門家の間でも「生活リズムを整える第一歩」としてすすめられていて、
朝の光や起きる時間を少し意識することが、夜の眠りにもいい影響をもたらすと言われています。
大切なのは、完璧な朝にすることではなく、
「今日も少し意識できた」という小さな前進です。
② 「やること」は2〜3個、“できそうなこと”だけでOK
夏休みは「勉強しなきゃ」「規則正しく過ごさなきゃ」と考えすぎると、かえって動けなくなることもあります。
そこでおすすめなのが、「今日やること」を2〜3個だけ、無理なく決めるという方法。
ポイントは、
✔ 自分で選ぶこと
✔ できそうなことだけにすること
たとえば、
・マンガを10分読む
・机の上だけ片づける
・ゲームを1時間だけにする
など、「やれたらラッキー」くらいのゆるさでOKです。
一見「勉強」と関係なさそうに思えるかもしれませんが、ポイントは「自分で決めて」「達成できた」という感覚を得ることにあります。
好きなことから始めることで、動き出すスイッチが入りやすくなり、次の行動につながることも多いのです。
小さなことでも「自分で決めてできた」と感じられると、それだけで気持ちが軽くなるもの。
支援の現場でも、そうした小さな成功体験の積み重ねが、やる気や自信につながる姿をたくさん見てきました。
③ 声かけは“できたかどうか”より“気持ち”に寄り添って
「今日は何やったの?」「ちゃんとやれた?」
そんなふうに聞きたくなる日もあると思います。
でも、子どもたちにとって響くのは、“結果”より“気持ち”や“工夫”を見てくれたひと言です。
たとえば、
「ちょっと頑張ってたね」
「自分で考えてたね」
「昨日よりちょっと起きるの早かったね」など。
気持ちに寄り添う言葉は、「わかってくれてる」と子どもに伝わりやすく、
自然と安心感や自信を育てていくことにつながります。
正解を言おうとしなくて大丈夫。
ただ**「見てたよ」「気づいてたよ」**というメッセージを伝えるだけで、子どもにとっては心の支えになります。
「ちょっとだけできた」が、やがて力になる
すぐに生活リズムが整ったり、やる気が戻ったりすることは、そう多くありません。
でも、「朝ちょっと起きられた」「自分で1つ決められた」――
そんな小さな一歩が、次の一歩につながっていきます。
完璧じゃなくていい。
“今のその子なりのペース”で歩んでいけるように、少しだけ支えること。
それが、この夏を少し軽くするカギかもしれません。
BESCHOOLでは
BESCHOOLでは、「学校には行けないけど、学びたい」「生活リズムを整えたい」
そんな思いをもつ子どもたちと、日々ゆっくり向き合っています。
進学や勉強のことはもちろん、日々の過ごし方や声かけの悩みも、お気軽にご相談ください。